郵便局を出てると、ボクの横をサラサラヘヤーの男の子が走って横切った。歳は3,4歳ぐらい。周りを確認しても独りのようだ。
人ごみに混じって信号待ちをして、信号が変わるとまた走り出した。お母さんを探しているのだろう。状況を理解したからほっとけない。
後を追いかけると、ちょうど派出所のある方向に走っている。
一人のおじさんが小さい男の子の行動に気づき、「お母さん、探しているの?」と声をかけたがその子は止まらず走り続けた。
おじさんは後ろをついて行ったけど、その子が2階にあるファミレスの階段を登って入っていったのを見て安心してUターンして戻ってしまった。
読みが甘い!この子は、お母さんと来た道のりを逆に走って探してしまっているので、そこにはいない。
戻ってきてまた走り出した。少し走って、今度は東急に入ってまた出てきて。
まだ、小さいのに泣かないで探し回っているのは、今までに泣いていても何も解決しないことを身に染みて知っているからだろう。
10分ぐらい走りつづけている。そして、横断歩道のない道路を横切ったので、全速力で追いついて、『確保!!』
一応、もう大丈夫だよ的なことを話しかけても一言も喋らない。お母さんを探している10分、15分は、1時間以上に感じただろう。
抱っこして派出所に行って事情を説明しているときに、そのサラサラヘヤーの男の子は、ぎゅーーーとボクの手を握っていた。
おそらくやんちゃ夫婦のぼっちゃんだろう子の幸せは自分には関係ないし、何もしてあげられない。
だから強く手を握らないで欲しかった。
と思わなければ、と思いきる。
子供は大人が思うほど弱くなく、大人は子供が思うほど強くない。
だといいんだけど。
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